ロジスティクス

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物流、ロジスティクス、サプライチェーン

1.物流、ロジスティクス、サプライチェーンマネジメントの違い

物流業務の改革を検討する際、そもそも、物流とロジスティクスは何が違うのか?ロジスティクスとサプライチェーンマネジメントは何が違うのか?について理解しておく必要があります。

「戦略」や「ビジネスモデル」などの言葉と同じで、これらの言葉についても、全員が認める定義があるわけではありませんが、概ね、次のように捉えてよいと思います。

物流

物流とは「物(モノ)を輸送したり保管したりすること」です。

物流がもつ機能として「輸送・保管・荷役・包装・流通加工・物流情報管理」があげられます。物流機能の目的は「可能な限り効率よく(つまり少ない労力・時間・コストで)、よりたくさんのモノを取り扱うこと」です。

もともとは「物的流通」、英語で「Physical Distribution」と言われていました。次第に「物流」という言葉が定着したようです。

ロジスティクス

ロジスティクスとは「必要な物(モノ)を必要なタイミングで、必要な量、必要な場所に届けること」です。

少々語弊はありますが、「物流」が自己中心的なのに対して「ロジスティクス」は相手のことを考えています。「効率よく、よりたくさんのモノ」を届けたとしても、届け先にとってちょうどよいタイミング、ちょうどよい量でなければその価値は半減します。いくら効率がよいからといって、バックヤードに入りきれないくらいに大量の商品を届けられれば、店舗側は困ってしまいます。

物流が「効率」を追求するなら、ロジスティクスは「効果」を追及するイメージです。多少、効率が悪くても、その効率の悪さを上回る効果(例えば売り上げ)があればいい、という考え方です。物流が個別最適的なら、ロジスティクスは全体最適的な考えです。

英語で「Logistics」、日本語で「兵站(へいたん)」といいます。元々は軍事用語です。旧:日本軍が兵站を疎かにしてより窮地に陥ったという話を聞いたことがあるかと思います。

サプライチェーン(サプライチェーンマネジメント)

サプライチェーンとは「原材料から市場に至るまでのモノ、カネ、情報の流れ(およびそれらをマネジメントすること)」です。

商品を市場に届けるためには、商品を運ぶ前にその商品を調達し(仕入れ)なければなりません。調達以前には誰かがその商品を作らなければなりません。商品を作るためには、今度は原材料を調達(仕入れる、自分でつくる)しなければなりません。サプライチェーンマネジメントでは、単にモノを運ぶだけでなく、どこからどのようにしてモノを市場に届けるのか?といったことの全てについて考えます。

金融サービスさえもサプライチェーンマネジメントの範囲となりえます。例えば、自動車を購入するとき、カーディーラーで、自動車の購入とあわせてローンを組んでくれます。これも市場(購入者)へ、モノを供給(サプライ)しやすくするためです。このような仕組みもサプライチェーンマネジメントの範囲となります。

物流が個別最適的、ロジスティクスが全体最適的、と書きましたが、ロジスティクスにおける全体最適は、(どちらかといえば)いち企業内における全体最適です。サプライチェーンマネジメントは、いち企業を超え、市場までも含んで(サプライチェーン全体で)全体最適化を図ります。

2.その他の定義

E.H.フレーゼルのサプライチェーン・ロジスティクス

参考に、E.H.フレーゼルによるサプライチェーンとロジスティクス(サプライチェーン・ロジスティクス)の定義を掲載しておきます。

サプライチェーン

サプライチェーンとは、施設(ウェアハウス、工場、ターミナル、港、店舗、家)、ビークル(トラック、鉄道、飛行機、海洋船舶)、ロジスティクス情報システム(企業のサプライヤーのサプライヤーと顧客の顧客をリンクする)のネットワーク

ロジスティクス

ロジスティクスとは、サプライチェーンの中で行われる活動であり、顧客レスポンス、在庫計画&管理、サプライ、輸配送管理、ウェアハウジングから成る。

ロジスティクスの概要_E.H.フレーゼル

詳細はこちらの書籍を参考ください。ロジスティクスを体系的にかつわかりやすく説明しています。実務上は、企業の業種・業態やビジネスモデルを考慮した上で、当該企業のロジスティクスの機能を再定義すべきだと思いますが、ここに記載されている内容は出発点のひとつとなるでしょう。

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