システム企画構想の概要

システム企画構想の概要

業務改革プロセスの全体像

「システムの話なのに業務改革?」と思われるかもしれませんが、システムを活用するということは、多かれ少なかれ業務を変えるということです。本来、システム開発は業務改革プロジェクトの一部であるはずです。システム開発の成功とは業務改革(とビジネスの成功)のことです。まずは業務改革の全体像について理解しておく必要があります。ここでは、業務改革を次の7つのプロセスで定義しています。

1.基本構想立案プロセス
2.システム企画プロセス
3.要件定義プロセス
4.システム構築(設計~開発~テスト)
5.業務運用準備
6.運用テスト
7.本運用~モニタリング

このうち「基本構想立案」と「システム企画」をあわせて「システム企画構想」と呼びます。このページでは「システム企画構想」までのノウハウを記載しています。経営リーダーは、システム企画構想の結果でシステム化するか否か(つまり、IT投資に踏み切るか否か)を判断することになります。

業務改革プロセス図

システム企画構想の概要

進むべき方向と具体策、および投資対効果を明らかにし、システム投資の可否を判断します。システムインテグレーションの世界では「超上流工程」と呼ばれます。変革対象の規模や特性にもよりますが、通常「基本構想立案」と「システム企画」とにわけて段階的に進めます。

基本構想立案プロセス

グランドデザインとロードマップを描きます。「現状」を正しく把握するとともに「あるべき姿」を描きます。「現状」と「あるべき姿」とでギャップ分析を行い、問題点を明らかし、施策を立案します。施策は業務施策とIT施策とに分けられます。これらの施策を評価し、実行リソース(ヒト・モノ・カネ)を踏まえてロードマップを策定します。

システム企画プロセス

業務要件を定義します。新業務の要件を定義するとともに、新システム、移行・展開、運用・保守の方針とイメージを設定します。検討内容をシステム化企画書およびRFP(提案依頼書)として纏め、ITベンダーへ提案依頼を行います。

以降の工程について

次工程の「要件定義」ではシステム要件を定義します。通常はITベンダーの協力のもと行います。「要件定義」では「システム企画」で定義した業務要件、システムイメージをインプットとして、新システムの機能要件、非機能要件、移行・展開要件、運用・保守要件を定義します。

業務要件は既に「システム企画」で定義されていますが、新業務は新システムと整合して実現すべきものです。よって、新システムの検討結果次第で新業務の見直しが必要になる事もあります。システム企画プロセスと要件定義プロセスとの間が正に業務とシステムの連結点となります。業務とシステムの橋渡しをできる人材は限られており、この事が要件定義をより重要な工程とさせています。

ジョン・コッターの業務改革<8つの過ち>

業務改革を絶対に成功させる方法など存在しませんが、「これを回避しなければ成功しない」というポイントがあります。それがジョン・コッターの業務改革<8つの過ち>です。

8つの過ち

① 従業員の現状満足を簡単に容認する
② 十分なパワーを備えた変革推進のための連帯チームを築くことを怠る
③ ビジョンの重要性を過小評価する
④ 従業員にビジョンを十分に伝達しない
⑤ 新しいビジョンに立ちはだかる障害の発生を許してしまう
⑥ 短期的成果をあげることを怠る
⑦ 早急に勝利を宣言する
⑧ 変革を企業文化に定着させることを怠る

参考文献

タイトルは「業務改革の~」ですが、システム構築プロジェクトでも十分に参考になる内容です。この手の本はいろいろ読み漁りましたが、この本がもっとも体系的かつ実践的でした。普段、プロジェクトに関わっている人からすると当たり前のことなのですが、ついつい疎かになりがちな点についてもケアしてくれています。

ジョン・コッターの企業変革に関する研究についてはこちらの書籍を参照ください。なんとか現状を変えようと四苦八苦している方には特におすすめです。企業変革は困難を伴うものであるが、だからこそ価値があることを確認できると思います。