ITエンジニアが企業会計を学ぶ理由

このエントリーをはてなブックマークに追加
Facebook にシェア
Pocket
LINEで送る

エンジニアと企業会計

エンジニアの集団は本当に企業の数字に弱く、そのせいかお金の使い方がうまくないなぁと思うときがあります。

昔ながらの下請け企業は、「案件」つまり「プロジェクト」ごとに原価管理を行います。受託開発の場合、その内訳は社内エンジニアの人件費、出張旅費、それと外注費(=社外エンジニアの人件費みたいなもんです)です。このワク内でプロジェクトをやりくりします。大抵はエンジニアあがりのプロジェクトマネージャーがこのやりくりを行います。

さて、こうやってエンジニアからプロジェクトマネージャーの経験を積んだ人が、組織のマネージャーとなっていくというのが、その良し悪しは別として、一般的なIT企業のキャリアパスです。

プロジェクトマネージャーとして目を光らせていた部分はプロジェクト原価です。プロジェクトが始まったとき、受注額は決まっていますから、自ずと原価のコントロールに注力することになります。P/Lでいうと、売上の下、売上総利益(粗利)の上にある「売上原価」の部分です。

その上でタスクを増やしたり減らしたり、役割を変えたり、スケジュールを調整したり、効率化を図ったりと涙ぐましい努力をするワケです。

さて、組織のマネージャー・リーダーになったら、売上原価以外のコストをコントロールすることになります。粗利益の下、営業利益の上にある販売費や管理費です。略して販管費と言われるものです。細かな計上ルールは各社各様だと思いますが、販売費や管理費というものはプロジェクト原価とはその性格が異なります。

販管費と費用対効果

販管費は、組織の活動原資そのものです。このコストは費用対効果が強く求められます。如何に少ない費用で大きな効果を生むかが問われます。しかしプロジェクト原価の管理しかしたことがなく、かつ販管費の意味を理解していない人は、次の2つの見方しかできません。

1つは、社内要員の作業工数として計上できる枠、プロジェクト原価を確保できないときのバッファ、という見方。

もう1つは、単に営業利益を削るだけの費用。「どうしても」という場合には使うが、なるだけ使わないのが望ましい、という見方。

どちらも間違っています。販売費・管理費で組織活動を活性化するとかそういう発想を持てていません。販売費は会計上は費用扱いですが、投資的な性格も持っています。販売費を工数(人件費)にあてるのではなく、広告などのメディアに使うをことをイメージしてもらうとわかりやすいかもしれません。

エンジニアは企業会計を学ぶべき

販管費はコストです。コストですから最小化するのが望ましい。それは間違っていません。でも考えてみてください。極端な話、何もしなければコストはゼロです。販売活動も管理活動も行わない。しかしこれでは企業として存在している意味がありません。

ここを理解していないエンジニア・元エンジニアが意外なほど多いのです。もしエンジニアの教育担当の方がこのブログを読まれていたら、ひとつお願いがあります。開発言語やテクニカルな研修と同じように、企業活動や企業会計についての教育もやってみてください。

仕事はどこからやってくるのか?そのために企業は何をしているのか?どれくらいのお金がかかっているのか?自分たちの銀行口座に毎月振り込まれるお金は、一体どこからやってきているのか?

こういう事を知ることが、己を知り、自社を知り、ユーザー企業を知ることにつながります。それは企業活動を、よい意味でより生々しくダイナミックなものにしていきます。是非ご検討ください。

このエントリーをはてなブックマークに追加
Facebook にシェア
Pocket
LINEで送る