【書評】岳

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漫画「BLUE GIANT」とその続編の「BLUE GIANT SUPREME」があまりにおもしろすぎて繰り返し読んでいたのですが、それでは飽きたらず、作者である石塚真一氏の別の作品「岳」に手を付けてしまいました。

これがヤバいくらいに面白い。

この「岳」という漫画、ともかく主人公の島崎三歩がナイスガイ!どうなったらこんな人間が生まれるのだ!?というくらいにナイスガイ。まるで太陽のようなお方です。

同じ山岳ものの作品に、夢枕獏の「神々の山嶺」という名作がありますが、この小説に「羽生丈二」と「長谷常夫」という2人の天才クライマーが登場します。作中「長谷が陽なら羽生が陰」というような表現がありますが、島崎三歩の太陽っぷりは長谷どころではありません。こんな男がいたら誰だって好きになっちゃうだろうな。

この「岳」という作品のすごいところは、「生と死」の描写です。山岳救助をテーマにした話だから当然と言えば当然なのかもしれませんが、その描写が印象的なんですね。滑落して身体がめちゃくちゃになっている描写(絵柄に反して生々しい!)もさることながら、ついさっきまで生きていた人が、ふっと死の側へ行ってしまう瞬間に、なんともいえないリアリティを感じます。フィクションなんですが読んでいる最中はノンフィクションを読んでいる気持ちです。入り込みすぎですかね…

「生と死」なんて重いことを書いてしまいましたが、普通にいい話(人情話とかロマンスを感じさせる話など)もあり、読んでいてほんと楽しいです。なにより、山岳の描写が美しい。実物を見たことはないけど、これ、生で見ちゃったら山に夢中になっちゃうかもな、、、と思ってしまいました。

基本的には1話完結スタイルなんですが、コミックス16巻あたりから最終巻の18巻まではひとつの物語になっています。この最期の物語は「岳」という漫画の集大成ともいえるデキだと思います。未読の方は是非!

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