あってもよさそうなドキュメントがなぜ無いのか

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現行システムの現状把握

システムリプレースに際し、まずは現状把握を行います。現状把握は、主に利用者へのインタビューとドキュメントの確認を通じて行います。うち、システムの実態把握については最終的にはシステムそのもの(ソースコードやデータテーブルなど)の確認が必要になる場合もありますが、最初はドキュメントから入ります。

なぜなら、いきなりシステムそのものに触れても全体像を掴めないからです。また、よくできたドキュメントは、システムそのものからは読みとりづらい情報を提供してくれています。

システムそのものから読みとりづらい情報とは、

  1. システムの範囲
  2. 業務や機能、プロセス間の流れ
  3. データの構造とデータ間の関連

です。つまり「範囲、流れ、関連」です。

具体的なドキュメント名としては、

  1. システム全体イメージ(業務フローの概略や対象組織など)
  2. システム機能関連図(全体図、鳥瞰図など)
  3. 概念データモデル(ER図など)

です。

この3つのドキュメントを確認できれば、現行システムがどのようなシステムなのかはある程度把握できます。

あってよさそうなドキュメントが無いとどうなるか

しかしこのような、一見するとあって当然と思われるようなドキュメントが存在しない場合があります。

その理由は様々ですが、私の経験上もっとも多い理由は「システム開発に関与していた人達にとってみれば、自明のことであるためドキュメントとして残さなかったから」あるいは「なくてもとりあえずシステムは作れたから」というものです。

システム開発に限った話ではありませんが、プロジェクトというものは常にお金も時間も不足しているものです。従って、モノをつくる上で必須ではないとみなされたドキュメントは、(いつかくるリプレースの時に重要な役割を果たすとしても)作成されないことがあります。

さて、その時はそれでいいかもしれませんが、数年後にシステムリプレースに取り組むときに困った事になります。

通常、システムリプレースは5年~7年後、長い場合になると10年以上後になって行われます。さすがに現行システム構築時の担当者が引き続きリプレースを担当するということはまれですから、前回は「自明である」という理由で文書化しなかった事柄、すなわち

  1. システムの範囲
  2. 業務や機能、プロセス間の流れ
  3. データの構造とデータ間の関連

が、「よくわからない」という状態に陥ってしまっている可能性があります。

先を考えたドキュメント化

システムリプレースというものは、現行システムをただ焼き直す、例えばメインフレームで動いていたシステムをWindowsOS上で動作するアプリケーションにつくりかえるというだけでなく、システムに関わる業務の見直しと、それに伴う機能やデータ構造の見直しも行うのが普通です。

見直しを行うということは、 現行システムのドキュメントがあろうがなかろうが

  1. システムの範囲
  2. 業務や機能、プロセス間の流れ
  3. データの構造とデータ間の関連

について、再定義するということです。

どうせ再定義するのだから、現行システムのドキュメントの有無はどうでもいいように思うかもしれませんが、あるとないとでは再定義にかかる精度もコストも作業スピードもリスクも全然違ってくるものです。

 

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カテゴリーIT