ISO取得は何のため?

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ISOとは

ISOとは、国際標準化機構および当該機構が定める国際規格です。代表的なものに、ISO9001(品質マネジメントシステム)やISO14001(環境マネジメントシステム)があります。

その他にも実にたくさんの規格があります。どれくらいたくさんあるかは、Wikipediaの解説を参照してみてください。驚くほどたくさんあります。

ISO認証取得企業とは「社内のマネジメントシステムについてISO審査機関からお墨付きをもらった(審査にパスした)企業」です。ISO認証取得企業であるという事は、「(例えば品質管理に対して)確立された基準や手順(=マネジメントシステム)を有する企業である」という事になります。

以下、ISOの代表格であるISO9001(品質マネジメントシステム)を前提に話を進めます。

ISOは必要か

私は、取引先からの強い要請などがない限りは、自発的にISO認証を取得する必要はないと考えています。

微妙なところなので、念のために書き加えますと、既にできあがっているISOという規格を利用・流用することには賛成です。さすがによく考えられたシステム(仕組み)です。

私が言いたいのは”ISOの認証(お墨付き)”を無理して取得・維持する必要はないという事です。名(お墨付き)はどうでもよく実(よく考えられたシステム)にこそ意味があります。

ISO認証取得企業であるということは、「ISOからお墨付きをもらった品質マネジメントシステムを有する企業である」ということは言えるとは思いますが、だからといって「品質マネジメントシステムが有効に機能している企業」とは言えませんし、「高い品質を確保できている企業」と言えるわけでもありません。

国家資格や民間資格を持っているからといって、それが実務での有効性を示すわけではないのと似たようなことです。

以上の理由から、ISOの規格を参考として品質マネジメントを確立するまでは良いとしても、わざわざ手間暇(と時間とコストをかけて)ISOから認証してもらう必要性がどこまであるかは疑問だと思っています。

ISOは重過ぎる

個人的には、ISOの規格は「重過ぎる」と思っています。

ことあるごとに文書を作成し、記録し、是正処置を行い、水平展開しなければなりません。悪いことではないのですが、ものづくりの重要な3要素である、Q(品質)・C(コスト)・D(納期)のうち、C(コスト)・D(納期)のことはほとんど考慮されていません。

この事が、現場とISO規格とをかい離させる一番の原因だと思います。この結果ISOは形骸化してしまいます。

(うまいやり方があるのかもしれませんが、今のところ見たことはありません。)

しかし、苦労して取得したISOですから、(ISO取得を主導した経営者などは)なんとかして認証を維持したいと思うものです。結果、維持するためだけに実質的にはなんの意味もない文書をこしらえたり、管理のための管理を行うハメになります。

そしてこの事が、コストアップと現場のモチベーションダウンを招くことになります。

もちろん、ISOを取得することで実際に品質を確保できている企業もあるとは思いますが、「認証を取得すること」と「品質を確保すること」は本来的には別物であることは強く意識すべきだと思います。

ISOとの付き合い方

ISO取得のメリットとして「取引先からの信用度アップ」があります。

もし、ISO遵守のためにその品質マネジメントが形骸化しているのであれば、形骸化によるデメリット(無駄なコストと現場のやる気への悪影響)と取引上のメリット(信頼度アップ、取引する上での前提条件クリア)を冷静に比較し、認証を維持すべきか否か総合的に判断すべきです。

一番良いのは、認証を維持しながらも、C(コスト)・D(納期)にも配慮した利益を生むシステムとすることですが、それが難しく、かつデメリットを上回るほどのメリットがないのであれば認証にこだわる必要はありません。名より実をとり、利益を生むシステムとして再構築することをお勧めします。

まれに、前社長の肝いりプロジェクトとして取得したISOだから、今更手放すことはできない、という話も聞きます。そのような余裕があればそれでもいいとは思いますが、本当にそれがベストな選択なのかどうか、よく考えていただきたいところです。

参考文献

・・・と、好き放題書いてしまいましたが、きちんとISOと向き合っている方によるISO本、その名も「新・くたばれ! ISO。 ISOは会社を変えることができるのか」という本に出会いました。非難するばかりでなく、私も、改めて、ISOに向き合ってみようと思います。

 

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