「社員のモチベーションを上げる会議」には意味がない

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モチベーション会議は幸?不幸?

もし職場で、「どうやって社員のモチベーションをあげるか?」みたいな会議が開かれているのなら、それは「不幸中の幸い」ならぬ、「幸い中の不幸」としてとらえた方がいいかもしれません。

なぜか?

「社員のモチベーション」について時間を割く(つまり、人件費というコストをかけて、更に、営業や製造などの本業の活動時間を奪う)ことができるのは、やっぱりそれなりに余裕がある企業です。切羽詰まった企業では「そんなこと」できません。考える余裕なんかありません。なのに、こういうことに時間を割くことができる状況にいるというのは幸せな事です。

一方で、「社員のモチベーション向上について会議をする」というのは、なんとなく愚かしいとも思いませんか?無駄な感じがしませんか?そうなんです。十中八九、無駄に終わるんです。これは不幸せなことです。

行き当たりばったりの会議

この手の会議は、例えば「大気中のCo2を減らすにはどうすればいいか?」という議論で、なんとなくその場で思いついたアイディア(例えば「なるべく公共交通機関を利用する」とか「ハイブリッド車や電気自動車を利用する」「地域のエコ運動を活性化させる」など)を並べるのと似たような感じがします。

多くの場合、「Co2削減の議論」には、大気中のCo2は今どの程度の量があるのか?、どれくらいが適量なのか?、どこからどの程度排出されているのか?、排出されたCo2はどうなるのか(どこかで分解、吸収されるのか)?、今回の取組では、具体的にどの程度の削減を目指すのか?、それはなぜか(目標の値に達したらどうなるのか)?という「問い」がスッポリ抜けています。

だから、「公共交通機関を利用する」なんて言っても、それが全体の中でどういう位置づけの施策となるのかよくわかりません。人はよくわからないことを延々とやることはできません。行為に対するフィードバック(何かしらの反応・成果)がないと続かないのです。正しいフィードバックのためには、全体を知る必要があります。

企業からのメッセージ?エクスキューズ?

「社員のモチベーション」の話も同じことで、モチベーションとは何か?モチベーションが高いとはどういう状態か?、低いとはどういう状態か?高いとどうなるのか?低いとどうなるのか?、人はどういうときにモチベーションを感じるのか?、モチベーションの発生源はどこか?(通常、職場に閉じた話ではない)、その状況下で何をするべきか?、どのような状態を目指すのか?、などについて共通認識を持ち、その次にはじめて、「では、どうするか」を考えなければなりません。

ところが、このような事について大勢の人との間で共通認識を持つのは大変難しい。それで、皆がなんとなく持っているイメージを前提として議論をはじめてしまう。そうすると「モチベーションの向上」というキーワードだけが先行した、全体の構造を無視した議論になってしまう。これではなんとなくでてきたアイディアに頼った話に終始してしまい、効果的なアクションを得ることは難しい。

こんな無駄なことに時間を割いているというのは、不幸せなことだと思います。企業にとっても人にとっても。

唯一、意味があるとすれば、企業側から社員側への「メッセージ」にはなるかもしれない、ということくらいでしょう。「私たちはあなたがた社員の事を考えていますよ」、という。でもそれは、悪い言い方をすれば「ポーズ」ですし「エクスキューズ」です。

モチベーションを高めるには?

持論ですが、「モチベーションは話し合って向上するものではない」と思っています。(昔、尊敬する先輩から「モチベーションなんてものは自分で上げるものだ」と言われました。)「他人からあげてもらったモチベーション」って、何かピンとこないことはありませんか?私はピンときません。

社員のモチベーションが先か業績が先か、という議論はあるかもしれませんが、業績がよい企業(一時的によいのではなく、その状態を長く続けられる企業)は、社員のモチベーションも高いものです。企業側にできることは、直接的にモチベーションをいじくりまわそうとすることではなく、業績向上にまい進することです。業績や仕事を通じてモチベーションを高める(高めやすい環境を提供する)ことだと思います。

Co2そのものをどうにかしようとするんではなく、循環型社会やそのためのシステムをつくるのと同じようなものです。

ちなみに、某飲食店に代表されるような(実態は知りませんが)ブラック企業ではダメですよ。これでは「良い状態」が長続きしませんから。

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