書店のビジネスモデルについて考えてみました

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本は好きでよく読むのですが、昔ながらの商店街にあるような書店にはさっぱり行かなくなってしまいました。

しかし、しっかりと伸びている書店もあるようです。

書店には頑張って欲しい!

そんな思いにかられ、なんとなくではありますが、書店のビジネスについて考えてみました。

既存のビジネスモデル

ここで想定するのは、地方にあるごくありふれた書店です。

既存のビジネスモデルについて4つの視点で整理してみます。

顧客 地域住民の全て(老若男女、社会人、主婦、学生、子供問わず)
価値 書籍の購入機会、実物を見る機会、選別された書籍
収益 書店の取り分は販売価格の22%と決まっている
能力 特別な能力は不要。強いて言えば、仕入・販売、接客を含めた店舗運営、計数管理

こんなところでしょうか。

競合は?

「地方にあるごくありふれた書店」の競合といえば、

  • 丸善や紀伊国屋などの大型店舗
  • TSUTAYAなどのCDレンタルとの複合型書店
  • 書籍を取り扱うコンビニ
  • ブックオフなどの中古書店
  • Amazonや楽天Booksなどのネット書店
  • 図書館

などです。

「同じタイプの書店」も競合となりうるのですが、既に淘汰されていて商圏に同タイプの書店はもう残っていないでしょう。

都市部では大型店舗や複合型、中古書店にお客さんを持っていかれるでしょうし、地方ではネット書店にお客さんを持っていかれるでしょう。

「地方にあるごくありふれた書店」が生き残るには

いささか逆説的ですが、「地方にあるごくありふれた書店」が生き残るには、「地方にあるごくありふれた書店」をやめて「とんがった書店」になるしかなさそうです。

要するに「選択と集中による差別化」です。

商品そのものを工夫して販売価格を上げたり下げたりすることはできませんし、仕入れを工夫して利益率を改善することもできません(書店の取り分は販売価格の22%と決まっている)から、それ以外のところで差別化を考えることになります。

本の専門家にもなり、そのテーマの専門家になる

これまで通りの「老若男女向けの品揃え」ではとんがった書店にはなりえません。何かのテーマに沿って専門特化する必要があります。

集客できなければ商売は成り立ちませんから、店舗の立地・商圏を加味して専門特化する必要があります。

駅から離れた住宅街のそばに店を構えているのであれば、例えば主婦層をターゲットとすることが考えられるでしょうし、大学のそばに店があるのであれば学生です。オフィス街ならビジネスマンです。法務局のそばなら法律家です。

単に専門特化しただけではネット書店にはかないません(量的な品揃えではどうしても負けてしまいます)ので、ネット書店にはできない機能を強化します。コンシェルジュ的な機能はよいかもしれません。

例えば「スポーツ関連の書籍」に専門特化したとしても、店員が「スポーツには全く興味がありません」というのでは、来店客の満足度は低下するでしょう。

スポーツに関することなら、ルール、練習法、スポーツマネジメント、スポーツ医療、スポーツビジネスなどについて、深く新しい知識を有することが望まれます。

以上を踏まえて、ビジネスモデルの4つの要素で整理してみました

顧客 店舗立地と店員のスキルを加味したターゲット顧客
価値 特定のテーマに集中する。
そのテーマに関連する本を中心に、他の物品やサービスを展開する
収益 書店の取り分は販売価格の22%と決まっている
能力 特定の専門テーマに関する深く広範な知識。
顧客同士のつながりを強化する仕組みや場の提供。

ここまで書いて改めて思いますが、小売って立地が超重要ですね。得意分野と合致した立地でなければ、上に書いたことは難しいと思います。

小売が厳しければ、B2Bで大量に販売するしかないかもしれません。例えば、新しくオープンする喫茶店に置く書籍のセレクトと販売など。書籍の販売で稼ぐというよりプロデュースですね。うまくいけば定期購読(購買)してもらえるかもしれません。

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