損益分岐点分析とは

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なぜか損益分岐点について話をすることが多かったので、まとめてみました。

損益分岐点とは何か

損益分岐点とはその名の通り「赤字から黒字へと転換するポイント(点)」を指します。

そのポイントを売上高であらわしたものが「損益分岐点売上高」です。

これが何の役にたつのでしょうか。

手っ取り早く、単純化した事例で考えてみましょう。

超単純化事例:あんぱんビジネス

  • アナタは、あんぱんを1個100円で販売するあんぱんビジネスを考えています。
  • あんぱん1個に、原材料費30円(すいません、金額は適当です)がかかります。
  • あんぱんを作ったり売ったりする場所代、つまり家賃が月30万円(すいません、これも金額は適当です)かかるとします。
  • 他にコストはかからないものとします。
  • アナタは、このあんぱんビジネスで毎月20万円の収入が欲しいと考えています。

さて、あなたは、月何個のあんぱんを販売すれば、毎月20万円の収入を得ることができるのでしょうか。
※取引は全て現金で行うとものとし、また、利息や償却費、税金なども考慮しません。あしからず。



答え:4,286個

解説

条件の確認

まず条件を確認しましょう。

こうなります。

販売単価 100円/個
原材料費単価(変動費) 30円/個
家賃(固定費) 300,000円/月
目標収入 200,000円/月

損益分岐点売上高の算出(1/2)

次に損益分岐点売上高を求めます。

一足飛びに目標売上高を求めることもできますが、理解を深めるために刻んでみます。

損益分岐点売上高 = 固定費 ÷ 限界利益率

おっと、ここで「限界利益率」なるものが登場しました。

限界利益率の算出

「限界利益」とは、売上高から変動費を引いたものです。

「限界利益」を「売上高」で割った値が「限界利益率」です。

計算してみましょう。

とりあえず、あんぱんが”1個”売れたと仮定します。

限界利益 = 売上高 - 変動費
= 100円 - 30円
= 70円

限界利益率 = 限界利益 ÷ 売上高
= 70円 ÷ 100円
= 0.7(=70%)

となります。

損益分岐点売上高の算出(2/2)

さて、改めて損益分岐点売上高を求めてみましょう。

損益分岐点売上高 = 固定費 ÷ 限界利益率
= 300,000円 ÷ 0.7
= 428,572円(小数点以下切り上げ)

毎月428,572円の売上があがればトントンだ、ということになります。

損益分岐点販売個数

毎月428,572円の売上をあげるためには、何個のあんぱんを売ればいいのでしょうか。

簡単ですね。あんぱん1個の販売価格100円で割ってみればいいのです。

損益分岐点販売個数 = 損益分岐点売上高 ÷ 1個あたり販売価格
= 428,572円 ÷ 100円
= 4,285.72個
≒ 4,286個(小数点以下切り上げ)

あんぱんを0.572個販売するなんてできませんから、切り上げています。

毎月4,286個販売すれば、トントンだということです。

確認してみましょう

こうなります。

販売個数 4,286円/月
売上高(変動費) 428,600円/月 ( = 販売単価 × 販売個数)
原材料費(固定費) 128,580円/月 ( = 原材料費単価 × 販売個数)
家賃 300,000円/月 ( = 売上高-原材料費-家賃)
収入 20円/月

販売個数の端数を切り上げているので、わずかに黒字ですね。

ちなみに、もし販売個数が4,285個だったら50円の赤字になります。

月の収入を20万円にするには?

目標利益達成売上高

これでにも計算式があります。

計算式は同じようなものです。

目標利益達成売上高 = (固定費+目標利益) ÷ 限界利益率

損益分岐点売上高の計算式に「目標利益」が加わっただけです。

ここで、目標利益とは「月の収入20万円」のことです。

さっそく計算してみましょう。

目標利益達成売上高 = (固定費+目標利益) ÷ 限界利益率
=(300,000円+200,000円)÷0.7
=714,286円(小数点以下切り上げ)

損益分岐点販売個数 = 損益分岐点売上高 ÷ 1個あたり販売価格
= 714,286円 ÷ 100円
= 7,142.86個
≒ 7,143個(小数点以下切り上げ)

つまり、1個100円のあんぱんを月に7,143個販売できれば、月収20万円の目標を達成できるということです。

月収20万円の目標を達成するには

さて、月に7,143個のあんぱんを売るにはどうしたらいいのでしょうか?

ここから先は販売戦略の領域です。

売上=客数×客単価というような式をみたことがある人も多いと思いますが、同じようなことをして目安を立てなければなりません。

例えば月に25日営業するとしたら、1日に286個を販売しなければなりません。

仮に、お客さんのすべてが主婦だとして、全員が1回来店するたびに平均して4個のあんぱんを買っていただけるとします。

そうすると72人の主婦の方に来店していただければよいことになります。

1日の営業時間をAM6時~PM8時とするとお店を14時間開けていることになります。

ピーク時間の有無がありますので単純平均はあまり意味がありませんが、あえて単純平均すると1時間あたり5.14人の来店が必要になります。

難しそうだなぁと思ったら、あんぱんの販売単価を120円にしてみたり(そうすると通常客数は減りますが)、食パンや飲み物をラインナップに加えて客単価の向上を図ったり、原材料費のコストダウンを考えたり、はたまた卸売りによるロット販売を模索してみたりします。

こんな風にして要素をいじって分析することを感度分析といいます。

(おまけ)120円に値上げしたら?

ちなみに、1個100円のあんぱんを120円にするとどうなるのでしょうか。

先ほど、1個100円のあんぱんを月に7,143個販売できれば、月収20万円の目標を達成できるということがわかりました。

販売単価 100円/個
目標販売個数 7,143個/月
286個/日 (月=25日として)
目標来店客数 72人/日 (ひとり4個購入するとして)

これを1個120円にすると以下の通りとなります。

販売単価 120円/個
目標販売個数 5,556個/月
223個/日 (月=25日として)
目標来店客数 56人/日 (ひとり4個購入するとして)

こういう具合です。

で、一体どこが「ITエンジニアのための」なのかといいますと、例えば自社でクラウドサービスなんか始めるときには役に立ちますよ、という事です。

たとえば、あんぱんをサービス、材料費を外部に支払うライセンス料、家賃をインフラ維持管理費(のうち固定費相当部分)などと考えればイメージがわくでしょうか。

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