経営ダッシュボードは必要ない?

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最近、私の周りで経営ダッシュボードについてちょっと話題になりましたので、思うところを。

速度メーター以外、誰も見ていない

経営ダッシュボードとは、経営を自動車になぞらえ、経営に関する様々な重要指標を自動車ダッシュボードのように1つの画面(社内ポータルサイトのトップページなど)に表示する仕組みを指します。

速度メーターを見ずに運転する人はいないように、売上や利益を見ずに経営する人はいない、というわけです。

様々な経営指標が経営ダッシュボード上を飾ります。売上、利益に始まり、売上総利益率(粗利率)、営業利益率など様々です。もちろんこれらは様々なセグメント、例えば営業所別や事業別、製品別などのセグメントにわけて表示することができます。

しかし常々思うのは、「これだけ多くの経営指標を、一体どれだけの人が使いこなせているのだろうか」という疑問です。

自動車のダッシュボードには、速度メーター、オドメーター(積算走行距離)、燃料計、エンジン回転メーター、水温計などが用意されていますが、多くのドライバーが運転中に見るのは速度メーターくらいなものです。

あとはたまに燃料計を確認するくらい。更に気が向いたら、なんとはなしにオドメーターやエンジン回転メーターを見るくらいではないでしょうか。

経営ダッシュボードも同じことになってませんでしょうか。

いろいろな指標を表示してはいるものの、結局、売上と利益の推移くらいしかみていない。情報は即日反映させるなど、リアルタイム性を高めているものの、経営判断はリアルタイムではない・・・など。

経営指標にも結果指標と行動指標(活動指標)があります。

行動の結果として結果指標があり、行動の程度を現す指標として行動指標があります。受注件数が結果指標、営業の訪問回数が行動指標、といった具合です。

指標の前後には行動があるのですが、指標をみて一喜一憂するだけで、行動(マネジメントアクション)にはつながらない。こんな状況に陥ってはないでしょうか。

事業に対するシナリオ

指標を見てマネジメントアクションを起こすには、経営者が事業に対するシナリオ・仮説をもっておく必要があります。

シナリオ・仮説とは「ここをこういじるとあの数値がこう動くはずだ。そうなると売上がこれくらいでてくるはずだ」といったようなものです。

そして、経営ダッシュボード上には、これらのシナリオ・仮説を裏付ける(あるいは反証する)情報が表示されていなければなりません。

このようなシナリオ・仮説がないと、指標をみても「ふーむ。」と思うだけで何のアクションにつながりません。アクションにつながらない情報はほとんど意味がありません。

いつか役に立つかもしれませんが、そんな悠長なことを言っている時代ではありません。というか、それで済むなら安くない費用で経営ダッシュボードを導入する必要はありません。

最初はExcelで十分

経営ダッシュボードに表示する指標値を、経営企画部まかせっぱなせにしたり、果てはITベンダーの”推奨値”や”初期値”まかせにする経営者もいるようですが、それでは、事業に対して確たるシナリオをもっていない、と宣言しているようなものです。

もしそうであれば、まずはいくつかの基本的な指標(どんなに多くても20種類程度)をExcelで管理することから始めるのがいいでしょう。経営ダッシュボードに手を出すのは、その後からでも遅くはありません。

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