業務プロセス設計の勘所

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業務プロセスの設計についてお話する機会がありましたので、そのエッセンスをブログに整理してみました。

1.業務方針の立案・確認

業務プロセスを設計していると、「うーん、どうしよう、どちらでもいいけどなぁ・・・」という、地味に迷うシーンに出くわします。

このような悩ましいシーンに出くわしたときに助けてくれるのが業務方針です。迷ったときはこの業務方針に立ち戻って考えます。

業務方針がないと、全体の統一感に乏しい業務プロセスになりかねません。そのような業務プロセスだと、組織として何を大事にしているのかがよくわからなくなります。

業務方針とは、例えば「コストよりも品質を優先する」や「コストよりも顧客満足度を優先する」「A事業よりもB事業を優先する」「規模よりも率を優先する」といったようなものです。お気づきかもしれませんが、方針を決めるとは、優先順位を明確化するということです。

優先順位を明確化することで、「お客様第一主義を掲げてはいるんだけど、原価割れは絶対に回避したいので、お客様が不満に思っている点については放置しておこう」といった現場の誤った判断を回避しやすくなります。

2.進め方のスタンス

業務方針が明確になったらその業務方針を胸に、業務を具体化していきます。基本は「鳥の目・虫の目」です。いきなり業務の細かいところから定義していこうとすると確実に業務の森に迷い込みます。

まずは大まかに業務の流れを定義します。しかる後に、徐々に細かくしていきます。正直に申し上げますと、この業務の粒度(「大まかに」や「細かく」)を適切に設定するのは非常に難しいものです。慣れも必要ですし、そもそも絶対の正解などありません。

しかしそれでも”適当に”設定します。いくら悩んだところで、万人が認める正解はありませんし、答え合わせができるわけでもありません。

ですので大事なのは、60%の出来でもいいのでまずは書いてしまうことだと思っています。書いてしまって”感じ”を掴みましょう。

3.準備する文書

以下の3つの文書があれば十分でしょう。

①業務記述書
②業務フロー
③業務用語集

以下、簡単に説明します。

①業務記述書

いつ、誰が、何をするのか、開始条件や終了条件は何なのかを明記します。

特に開始条件は注意が必要です。本来、”なんとなくはじまる業務”などなく、何がしかの条件が揃って始まるものです。

例えば「注文書を受け取って、受注処理が正常に完了して始めて作業を開始する」といった具合です。

特に部門・セクションを跨ぐ業務プロセス部分で、この点が曖昧だと後々揉めます。

また場合によっては、「やり方」や「注意事項」「その背景や事情」を別に文書化するなどしておきます。

文書化は「よくわからないけど昔からこうやっている」という事態を軽減(なくなりはしない)する事ができます。

②業務フロー

エンジニアの方が書くと、ついつい画面遷移図やデータフローのような資料になってしまいますが、書くのはあくまでも「業務の流れ」です。UMLのアクディビティ図のルールで書くのをオススメします。

業務フローの書き方については、このブログでも何度か触れてきましたが、データベース(円錐)のアイコンは意識的に書かないようにしたほうがいいでしょう。これを書き出すと気が付いたらデータの流れを追ってしまっていることがあります。

データの流れも大事なのですが、気をつけないとデータの流れにあわせて業務を設計することになってしまいます。

業務フローでは、スイムレーンの中に業務プロセスを配置しますので、その業務プロセスを誰が担うのかがはっきりします。

業務フローの書き方については、以下のエントリも参照ください。

「忙しい人のための業務フローの作り方」
「伝わる業務フローの作り方」

③業務用語集

同じ言葉なのに部門・セクションが違えば、意味やニュアンスも違ってしまったり、呼び名は違うのに同じ言葉を指しているというようなことは、どこででも聞く話です。

もちろん、これらの言葉は統一化するのが望ましいのですが、無理に統一化して混乱を招くこともありません。但し、最低限、用語集などを準備して整理しておく必要はあります。

上記、①、②、③、特に①と②は同時並行的に作成します。

3.関係部署と摺り合せと承認

業務記述書や業務フローをベースに関係部署との摺り合せを行います。摺り合せの過程で業務プロセスも精査していきます。

4.業務プロセスの維持管理

せっかく設計した業務プロセスも守られなければ意味がありません。また、定着しなければ意味がありません。業務プロセスが浸透するまでに地道なフォローや啓蒙が必要となります。

また、設計した業務プロセス通りにやろうとしても、うまくいかない場合もあります。あるいは最初はうまくいっても次第にうまくいかなくなる場合もあります。

このような時は業務プロセスを見直したり変更したりする必要がでてきます。この、見直し・変更に対するルールも必要です。

これらの維持管理の仕組みがなければ、あっという間に形骸化します。

ご参考

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