提案する製品がなかったら

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今回はITベンダー視点で。

いつかリプレースが

現在、自社製品(パッケージソフトウェアなど)を使っているユーザー企業があるとします。しかしいつかはリプレースを検討する時期がやてきます。

理由は様々です。事業環境が変わり時代遅れになった、老朽化したせいか不安定になった、サポートが期限切れになる、リースアップする。他にもいろいろあるでしょう。

いずれにせよ、リプレースを考えるときがやってきます。

時代は変わる

自社製品を使ってもらっているわけですから、よほど関係が悪くない限りは、リプレースの検討の際に声がかかります。

逆にいくら関係が良くても、よほどのことがない限りは競合他社にも声をかけます。会社によっては、相見積をとることが社内稟議を通すための条件というところもあります。

それはさておき、声をかけてもらったら、新製品なり新たなソリューションなりを提案することになります。

ここで、ユーザー企業の問題・課題に大きく貢献できるような製品・ソリューションをもっていればいいのですが、時にはそうでないこともあります。

現行の製品を導入した時には、ユーザー企業の経営課題とITベンダーの製品・ソリューションとがマッチしていたとしても、時の流れとともにズレが生じることがあります。

経営課題は移り変わりますし、製品・ソリューションの狙いも移り変わります。

軽自動車と高級車

「自社の製品・ソリューションを前提とせずに、世の中にある全ての製品・ソリューションを視野に入れて提案してよい」となれば話はここでお終いなのですが、現実にはそんなことはありません。

現在のユーザー企業の課題を解決するには、自社製品αではなく他社製品βのほうがよいのではないかと考えても、提案できるのは自社製品αです。競合関係にある他社製品βを提案するわけにはいきません。

例えるなら、価格も手頃で取り回しがよく税金も安い車、つまり「軽自動車」を求めている顧客に対し、「高級車」をオススメするわけにはいきません。しかし自社では「高級車」しか取り扱っていない、というような状況です。

製品ではなく顧客の課題にフォーカスする

どう考えればいいのでしょう。

「軽自動車」が欲しいといっている顧客に「高級車」の良さを訴求しまくって、言葉は悪いですが、売りつけるのがいいのでしょうか。

うまくいけば売上はたちますが、この顧客は二度と戻ってこないでしょうし、他の見込み客を連れてくる(紹介してくれる)こともないでしょう。

やはり基本は顧客です。顧客のメリットを優先して考えるべきです。

そのためには、顧客の抱える問題・課題を正しく把握する必要があります。何故「価格も手頃で取り回しがよく、税金も安い車」がいいのか。顧客の抱える問題・課題の解決策は本当に「軽自動車」なのか。高級車でよりよい解決を提供することはできないのか。

このようなことをきちんと考えた上で、心から「顧客のためになる」と思える提案をすべきです。

役に立てそうになかったら?

もし「どう考えても顧客の役に立てそうにない」と思うのであれば、できる限りの検討をした上で、メリットもデメリットもきちんと伝え、辞退することも考えなければなりません。

そうすれば、今回は「軽自動車」を選ぶかもしれませんが、顧客からの信頼度は高まることでしょう。

こうなればそう簡単に顧客との縁は切れません。寧ろ深まります。

次回には「高級車」が必要となり指名してくれるかもしれませんし、「高級車」を必要としている他の顧客を連れてきてくれるかもしれません。

「あのベンダーはいいよ。私たちお客のことをきちんと考えてくれる」という評判が立ちます。

製品やソリューションに顧客を合わせるのではなく、顧客の課題にフォーカスすることが重要です。ストイックな考え方かもしれませんが、やる価値はあると思います。

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