システムリプレースのはじめの一歩/現行システムの分析

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「今と同じ」と言うけれど

情報システムのリプレースは、どちらかというと消極的な理由で行われることがほとんどであるように感じます。具体的にはこんな具合です。

  • 長年利用してきたオフコンがもう限界だ。
  • これを機にWindowsマシン上で動作するシステムにリプレースしたい。
  • 機能に問題は感じていない。新しい機能を追加したいとも思っていない。

情報システムのリプレースとはなかなかやっかいな案件です。ちょっとググってみたら、「システムのリプレース案件が最も危険な理由」というエントリがありました。リプレースのやっかいさが端的に説明されています。

依頼する側は「今と一緒で」の一言で済むので「焼き直しは簡単」と思ってしまっているフシがありますが、実際のところそんなことはありません。

そもそも「今と一緒で」の「今」の仕様というものが、どんな仕様なのかは誰もわかっていないことが多いものです。

現行システムを分析する3つの切り口

現行システム(リプレースされるシステム)について理解しないことには先に進みません。そこで、最初は、ユーザーインタビューに加え、現行システムの仕様書や設計書、プログラムやデータそのものの読み込み、解析し、現行システムの把握に努めます。

現行システムを把握する方法は様々ですが、私の場合は次の3つの観点(切り口)で探っていきます。

  1. 業務(業務とシステム運用)
  2. 機能(システム機能とロジック)
  3. データ(データモデルとデータフロー)

もちろんこの他にも、そのシステムのこれまでの歴史、業務上の位置付け、アプリケーション基盤、インフラ基盤、利用者の数、データ量や処理性能、現状の問題点・課題など、確認すべきことは多岐にわたりますが、現行システムを分析するにあたって、中核となるのは上にあげた3つの観点です。

このシステムは一体、何なんだ?に答えるためには、この3つの切り口でアプローチするのがよいと考えています。

1.業務(業務とシステム運用)

システムを使うために業務を遂行しているわけではありません。まず業務があり、その業務を早く正確に効率よく遂行するために、あるいは新しい業務のやり方を実現するためにシステムを用いているはずです。現行業務は、現行業務フローや現行業務記述書等で整理されます。

また、システム運用についても確認します。システム運用とは、ざっくり言えば「システムを継続して安定的に稼働させるために行っていること」です。定期的になモニタリングやメンテナンス、エラー発生時の対処、タイムスケジュールなどが含まれます。

2.機能(システム機能とロジック)

上述した業務を遂行するために必要なシステム機能があります。そのシステム機能に着目します。目的は何で(何のために)、何をインプットとして何をアウトプットしているか、何をトリガーとして動作するのかを確認します。現行システム機能一覧や、現行業務フローやデータフローとして表現されます。

この段階では処理の内容そのものにはあまり着目しませんが、処理ロジックそのものに重要な意味があるもの、例えば条件テーブル等を参照して(条件として)複雑な計算を行うような処理については、ロジックの概要について明らかにします。

3.データ(データモデルとデータフロー)

データの構造(特にキー構成)に着目します。ER図などで整理します。また、データフローとして整理しデータが発生して消滅するまでの変遷に着目します。

留意すべき事

現行システムを分析してくと、よく意味がわからないものや、もう使われなくなったもの、今となっては違うやり方が適用できるものなど、様々なものが見えてきます。

そこまで見えてきてはじめて、現行システム仕様に”引っ張られ”ることなく、顧客の希望・要望・制約も踏まえつつ、新しいシステムをどう構想するかを考えることができるようになります。

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カテゴリーIT