製品志向と顧客志向

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「製品開発」と「受託開発」との違い

「製品の企画・開発」は「受託開発」にはない、前向きなワクワクするような体験を与えてくれます。と同時に、これまで考えもしなかった事を考えなければなりません。

「受託開発」では方向性を出すのは顧客ですし決めるのも顧客です。ターゲットもはっきりしています。その顧客以外のことを考える必要はありません。

ところが「製品開発」では自分たちで決めなければなりません。「ターゲットを決める」「方向性を決める」ということが受託開発ビジネスとの大きな違いです。

「製品志向」か「顧客志向」か

製品の企画段階で議論の的となるのが「製品志向(プロダクトアウト)か顧客志向(マーケットイン)か」です。

exBuzzwordという情報サイトによると、それぞれ以下のように定義されています。

プロダクトアウトとは、企業が製品や商品、サービスの調達・開発・提供・販売を行うに際して、企業の有する技術や優位性などを基本にそれらの事業活動に取り込んでいく考え方。作ったものを売るという考え方。マーケットインの反意語。

マーケットインとは、企業が製品や商品、サービスの調達・開発・提供・販売を行うに際して、市場や顧客のニーズを汲み取った上でそれらの事業活動に取り込んでいく考え方。売れるものを作るという考え方。プロダクトアウトの反意語。

以下のような議論を聞いたことはないでしょうか。

  • Aさん「多くの顧客が○○という機能が必要だと言っている。市場の声に耳を傾けるべきだ。」
  • Bさん「顧客の声に従うだけでは潜在的なニーズをとらえられない。Apple社を見よ。スティーブ・ジョブズを見よ。」
  • Cさん「両方正しいように思えるけど・・・うーん」

実はどっちも正しいのです。顧客の声をまったく無視した製品は受け入れられませんし、顧客の声(つまり期待)を超えない製品では価格競争に陥るのがオチです。

顧客は「よいモノを適正な価格で」ではなく「よいモノをできるだけ安く」と思っています。モノが同じならより安いほうを選びます。

製品志向(プロダクトアウト)は、モノがなかった時代を背景として生まれた概念(コンセプト)です。100年前、アメリカで自動車といえばフォード車しかなかったわけです。日本で言えば戦後の高度経済成長期です。

片や、顧客志向(マーケットイン)は高度経済成長期の後の話です。モノがあふれニーズや嗜好が多様化している時代です。画一的なモノでは売れなくなってしまいました。このような時代を背景として顧客志向(マーケットイン)という概念が生まれました。

フィリップ・コトラーは、製品志向(プロダクトアウト)をマーケティング1.0、顧客志向(マーケットイン)をマーケティング2.0と定義ています。

マーケティング1.0~4.0

そのフィリップ・コトラーはその後、マーケティング3.0を提唱し、最近になってマーケティング4.0を提唱しています。1.0から4.0までを並べると以下のようになります。

  • マーケティング1.0:製品中心主義(Mind)
  • マーケティング2.0:消費者志向(Heart)
  • マーケティング3.0:価値主導(Spirit)
  • マーケティング4.0:自己実現(Self-Actualization)

引用:「日経ビジネスオンライン 自己実現を目指す!コトラーのマーケティング4.0は日本企業の追い風」より

マーケティング3.0には「価値の共創」や「社会貢献」が、マーケティング4.0には「自己実現」が含まれているといいます。

実は「製品志向」か「顧客志向」かはどうでもいい

「やっぱり考えるなら最新の理論を参考にしたい。ということでマーケティグ4.0か?でもよくわからないぞ?」というのが率直な感想だと思います。

はっきりいって、実務的にはマーケティングが1.0だろうが4.0だろうが関係ありません。冒頭にも述べた通りどれも大事だからです。「どれかに決めてかかる」ことほど無駄なことはありません。そんなことよりも、もっと考えなければならないことがあります。それは競合他社の存在です。

競合他社のことを考えよ

マーケティングは、競合他社との競争に勝つためにあるとも言えます。

「そうではない。競争しなくて済む世界、競合がいない世界、いわゆるブルーオーシャンを切り開くのだ」という考え方もあろうかと思いますが、切り開いた「ブルーオーシャン」は適切に防衛しないと、あっという間に競合に侵入され「レッドオーシャン」化します。やはり競合他社の存在を意識せずにはいられません。

実はブルーオーシャンはかなりきつい戦略です。不確かな状態から市場を創り、更にそれを競合から守らなければなりません。ブルーオーシャンをブルーオーシャンのままにするのは困難です。

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