EVM(Earned Value Management)が普及しない理由

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EVM(Earned Value Management)は何故使われないか

EVM(Earned Value Management)というものがあります。プロジェクトの進捗管理手法の1つです。PMPとか情報処理技術者試験の学習をしたことがある方ならご存知かと思います。

詳細はここを参照ください。わかりやすく説明してくれています。

EVMを用いると「作業進捗と予算の消化状況が一目で」わかります。すごく便利そうです。

しかし私は使ったことがありません。
また、実際にEVMを用いて進捗管理をしているプロジェクトをみたことはありません。なぜでしょう?

EVMはめんどくさい?

私は「手間暇がかかりすぎる」「定量的に把握されるのでごまかしがきかなくなる」「ステップ数で生産性を測ろうとするのと同じで、定量化しづらいタスクもある」あたりかな、と薄ぼんやり思っていました。

実際、作業進捗と予算消化の状況を定量的に把握するのは一苦労です。

作業進捗を定量的に把握するとは「40機能中、20機能について設計完了、10機能が仕掛、10機能が未着手」とか「プログラム100本中、30本が完成、20本が仕掛、50本が未着手」とか、「1.2kstep中、0.7kstep済み、0.5kstepは未着手」などの形で管理することになります。

また、予算消化状況を定量的に把握するとは「○月○日時点で○円分の原価を消化」ということを把握することです。進捗管理すべきコストのほとんどは人件費なので、進捗を把握したい粒度で(毎週把握なら週単位で)工数を集計し、人日単価を乗算してコストを算出することになります。

把握する頻度や粒度や、集計方法、集計単位、などをきちんと決めておかなければ、意味のある管理は難しくなり、手間がかかるだけで得るものがほとんどなくなります。

また、直感も手間暇かけて把握した進捗もさほど変わらない、というケースもあります。「ビッグデータ分析なんかしなくとも知っとるわい」という話と似ています。
※ビッグデータ分析は有用だと思ってますよ。使い方が正しければ。

しかし、本当にそうでしょうか。言うほど面倒でもないような気がします。面倒でも進捗と原価消化を正しく定量的に把握できるならやる価値があるように思えます。

EVMが普及しない本当の理由(仮説)

とまぁ、いろいろ考えたのですが、「多分、これが本当の理由ではないか」という理由にいきたありました。

それは「単に知らないから」です。正確には「進捗報告を受ける側が知らないから」となります。

ここからは持論ですが、開発の現場に身を投じている人は、進捗の良し悪し・原価の状況については大よそ把握しているものです。正確な数値と根拠を示さなくとも、マネジメントアクションを誤るほどに的を外してはいません。ですので、EVMみたいに定量的に正しく把握しなくとも問題ありません。

EVMのような定量的な管理を必要とするのは、現場からちょっと離れた人たちです。つまりプロジェクトオーナーや経営陣です。現場にいないからこそ、定量的に把握する必要があるのです。

ところが、、、です。

そのオーナーや経営陣がEVMという手法を知らない。知らないからEVMでの管理を求めない。

現場はEVMなんかなくとも「1週間遅れです」とか「進捗率は50%です」とか、経験と勘から導き出した数字を入れて報告すればいいのです。これでオーナーや管理者は「具体的・定量的な報告をうけている」と思うというわけです。

そんなわけでEVMはすばらしそうな手法・ツールなのですが、あまり見かけないのでした。

参考文献

そういえばEVMを中心に据えて書かれた本って見ないよな、と思い調べてみたらこのような本が。尚、未読です。読んでみたい気もしますがなんだか躊躇してしまいます。

 

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